満光寺(まんこうじ)

住所:愛知県新城市下吉田田中140

 満光寺は平安時代の貞観2年(860)に円仁によって創建された。円仁は慈覚大師とも呼ばれ、平泉中尊寺の創建や浅草浅草寺の再興を担った名僧。

 この寺には徳川家康公が鶏の声に命を助けられたという有名な逸話も残されており、家康公はその恩に報いるため、寺領三石の黒印状を与えたと伝わる。

<家康公にまつわる逸話>

 武田信玄との戦いに大敗し、命からがら逃げて来た家康一行は、疲れた体を休めるために満光寺で一泊することとし、「一番鶏が鳴いたら起こしてくれ」と住職に頼み、床についた。
翌日、その日に限ってまだ暗い内に一番鶏が鳴いた。住職は不思議に思いながらも一行を起こし、家康は礼を述べながら満光寺を後にした。その直後、寺は武田軍に取り囲まれたが、すでに家康一行は遠くへ逃げており、命拾いをした。



 九世大死禅柱和尚によって宝永4年(1707)に建立された山門(新城市指定文化財)

 満光寺では今も小国という立派な鶏を見ることができる。平安時代に遣唐使が中国から持ち帰った鶏の子孫と伝わる。

家康を救った鶏はこの小国だったと考えられる。



   
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